「高校在学中に留学してみたいけれど、短期と長期のどちらがよいのだろう」「単位や大学受験に影響しないか心配」と感じている高校生や保護者の方も多いのではないでしょうか。高校生の留学には、長期休暇を使う語学留学から、現地校への交換留学、海外の高校卒業を目指す進学まで、さまざまな形があります。

選択肢が多いからこそ、期間や費用だけで決めず、本人の目的と日本の高校での扱いを一緒に考えることが大切です。この記事では、高校生が選べる留学の基本から注意点まで詳しく解説します。

まず知っておきたい高校生留学の基本


高校生の留学は、期間によって学び方も日本の学校への影響も変わります。まずは大きな区分と、留学で何を得たいのかを整理してみましょう。

高校生の留学は「短期」と「長期」で大きく変わる

高校生の留学は、大きく「短期留学」と「長期留学」に分けられます。明確な決まりはありませんが、一般的には3カ月未満の留学を短期留学、3カ月以上を長期留学と呼びます。高校生の場合は、長期休暇を使った数週間の短期留学か、1学期〜1年ほどの長期留学が中心です。

短期は春休みや夏休みに参加しやすく、日本の授業や進級への影響を抑えながら海外生活を体験できる方法です。一方、長期は現地校で教科を学ぶ機会が増える分、単位認定や復学時期まで含めた準備が欠かせません

高校生に多い留学の目的

高校生に多い留学の目的には、次のようなものがあります。

  • 英会話のレベルアップ
  • 異文化の中での生活経験
  • 海外進学や将来の進路の準備

目的によって、選ぶべき授業や期間は変わります。たとえば会話量を増やしたいなら語学学校、現地の授業や同世代との交流を重視するなら現地校が候補です。「帰国時にどうなっていたいか」を明確にすると、プログラムを比較しやすくなります。

高校生が選べる留学の種類

高校生向けの留学は、語学学習、現地校体験、交換留学、海外進学に分けて考えると整理しやすくなります。それぞれの違いを見ていきましょう。

夏休み・春休みの短期語学留学

春休みや夏休みの短期語学留学は、1〜4週間ほどで英語学習と海外生活を体験する方法です。日本の高校を長く休まず参加しやすく、初めて一人で海外へ行く高校生にも選ばれています。語学学校によって、寮生活、日本人スタッフ、門限、空港送迎などの体制は異なります。

現地校体験・ターム留学

現地校体験・ターム留学は、数週間から1学期ほど、海外の中学・高校で現地の生徒と授業を受ける方法です。英語を学ぶだけでなく、英語で数学や理科なども学ぶ経験ができます。ただし、国によって学期の開始月が違い、語学力や成績の条件が設けられることもあります。

交換留学・私費留学

交換留学は交流を目的とする団体の選考を受け、現地校とホストファミリーのもとで生活する形が中心です。費用を抑えやすい一方、国や学校、滞在先を自由に選べない場合があります。

私費留学は家庭が費用を負担し、学校や地域、科目を選びやすい方法です。その分、授業料や滞在費は高くなりやすいため、希望の自由度と予算のどちらを優先するかが選択の軸になります。

海外の高校卒業を目指す留学

海外の高校卒業を目指すなら、卒業までに2年以上かかる場合も見込み、進学先から逆算して学校を選ぶことが大切です。現地の卒業要件や取得できる資格に加え、日本の大学へ進む場合は入学資格も確認します。

文部科学省は、外国で12年の学校教育課程を修了した人などに大学入学資格を認めていますが、課程によって扱いが異なるため、志望大学への事前確認も必要です。

【期間別】高校生の留学スタイル


同じ高校生の留学でも、1週間と1年間では得られる経験も学校との調整も異なります。期間ごとの特徴を知り、目的に合う長さを考えてみましょう。

1週間~4週間

1〜4週間は、長期休暇を使って語学留学やジュニア向けプログラムに参加しやすい期間です。1週間なら海外生活への適応と英語を使うきっかけづくり、2〜4週間なら授業の流れに慣れ、会話の試行錯誤を重ねる時間も取りやすくなります。大きな伸びを急ぐより、期間内で実行できる目標を決めると充実しやすいでしょう

1カ月~3カ月

1〜3カ月は、語学力の強化に加え、現地で生活する感覚をつかみやすい期間です。語学学校なら苦手分野を継続して学び、現地校体験なら学校行事や課題にも関われる可能性があります。

一方で、日本の高校を数週間以上休む場合は欠席日数への影響が出やすくなります。休学が必要か、定期試験や提出物をどう扱うかを、申し込み前に在籍校へ相談しておくと安心です。

半年~1年

半年〜1年は、交換留学や私費留学で現地校に通い、教科の学習と生活の両方に深く関わる期間です。言葉や文化に慣れるまでの時間を取れる反面、日本の高校で同じ学年に戻れるとは限りません。

ただし、留学先の成績表や在籍証明が単位認定に使える場合もあるため、帰国後に復学する学年や卒業予定日がどう変わるかを、出発前に整理しておくことが重要です。

2年以上

2年以上の留学は、海外の高校で卒業資格を取得し、その国や日本の大学への進学を目指す場合に向いています。短期の語学留学とは異なり、必修科目、英語資格、進級条件などを長期的に管理する必要があります。

また、卒業資格が希望する進路につながるかを見ておくことも大切です。

高校生の留学にかかる費用の目安


留学費用は、期間だけでなく、国、学校、授業数、滞在方法によって変わります。ここでは比較の出発点になる金額と、見積もりの考え方を紹介します。

短期留学の費用

短期留学は、1〜4週間で20万〜80万円程度が一般的な目安です。東南アジアは比較的費用を抑えやすく、15万円前後から参加できるプランもあります。一方、オーストラリアやカナダ、アメリカなどは航空券や滞在費が高く、総額が50万円以上になるケースも珍しくありません。

長期留学の費用

長期留学の費用は、留学先の国や学校、授業形式、滞在方法によって大きく異なります。欧米圏の語学留学では、授業料に加えて滞在費や食費が別途必要になるプランもあり、総額が高くなりやすい傾向があります。

一方、フィリピンの語学留学の場合、半年間でおおよそ100万〜180万円が目安です。朝から夕方まで授業が組まれ、マンツーマン授業を含めて学習時間を確保しやすい学校も多いため、欧米圏と比べて総費用を抑えながら集中的に学びやすい点が特徴です。

用を抑える方法

費用を抑えるには、奨学金を利用する方法があります。文部科学省が官民協働で実施する留学支援制度「トビタテ!留学JAPAN」の2026年度・高校生等対象コースでは、14日以上365日以内の計画を対象に、条件に応じて月額6万・12万・16万円と留学準備金を支給しています。

条件を満たせばセブ留学でも利用できますが、語学学習以外に行う探究活動の内容によって、現地で対応できることは異なります。計画段階で留学エージェントへ相談し、学校や現地で実施できる内容を確認すると安心です。

出発前に準備しておきたいこと


高校生の留学準備では、渡航手続きだけでなく、日本の高校と帰国後の進路の確認が欠かせません。ここでは、優先度の高い項目から解説します。

在籍高校に単位・出席・復学について確認する

最初に在籍高校へ、留学中の在籍区分、欠席日数、単位認定、復学学年を相談することが大切です。文部科学省の制度では、校長が外国の高校での履修を最大36単位まで認定できますが、自動的に認められるわけではありません。学校ごとの規程や必修科目との対応によって判断が変わります。

パスポート・ビザ・保険を準備する

パスポート、渡航先に応じたビザや就学許可、海外旅行保険は、参加決定後できるだけ早く準備します。また、必要書類や申請期限は変更されることもあるため、学校や留学会社の案内に加え、渡航先の大使館や政府機関の最新情報も確認しておくと安心です。

奨学金や学校の制度を確認する

奨学金は、留学を思い立った時点で在籍校へ相談するのがよいでしょう。国の制度だけでなく、高校独自の留学費補助、姉妹校派遣、自治体や民間団体の給付制度が利用できる場合があります。また、支給額だけでなく、対象期間、併給の可否、帰国後の報告義務まで見ておくことが大切です。

後悔しないために注意したいこと


留学先が決まってから困らないよう、学校との調整、目的、帰国後の予定を申し込み前に結びつけて考えます。見落としやすい点を確認しておきましょう。

単位認定や進級の確認を後回しにしない

単位認定や進級の確認は、留学の申し込みや支払いより先に進める必要があります。「留学扱い」になるのか「休学扱い」になるのかで、帰国後の学年や卒業時期が変わることがあるためです。口頭の説明だけで終わらせず、必要な申請書、判断時期、帰国後に提出する証明書を記録しておくと、認識のずれを減らせます。

目的が曖昧なまま申し込まない

留学の目的は、「英語を伸ばす」から一歩進め、期間内に何を経験したいかまで具体化することが大切です。たとえば、次のように行動で確かめられる目標にしましょう。

  • 毎日1回は英語で質問する
  • 海外進学に必要な試験形式を知る
  • 現地の生徒と教科学習に取り組む

大学受験や学校行事との両立を考える

大学受験を見据えるなら、留学期間を定期試験、オープンキャンパス、出願、面接などの日程と重ねて考えます。とくに高校3年生は、総合型選抜や学校推薦型選抜の準備が早く始まる場合があり、長期留学中の成績証明や推薦書の手配にも時間がかかります。

文化祭などの学校行事も含め、本人が大切にしたい予定を書き出し、帰国後の学習時間まで確保できる時期を選ぶとよいでしょう。

高校生の留学に関するよくある質問

最後に、高校生本人と保護者の方から寄せられやすい疑問に答えます。参加条件はプログラムごとに異なるため、個別の確認も大切です。

Q:高校生だけで留学できますか?

高校生だけで参加できる留学はあります。寮、ホームステイ、空港送迎、現地スタッフなど未成年向けの管理体制があるプログラムを選ぶと安心です。

Q:何年生で行くのがおすすめですか?

短期留学なら、学校行事と重ならなければ高校1〜3年生のどの学年でも検討できます。半年以上の留学は、復学や受験まで調整しやすい高校1年生から2年生前半が選ばれやすい傾向です。

Q:留学すると高校を留年しますか?

留学しただけで必ず留年するわけではありません。海外での学習が単位として認定され、同じ学年へ戻れる学校もあれば、休学として卒業時期が延びる学校もあります。

Q:親は現地まで同行する必要がありますか?

高校生向けの単独参加プログラムでは、保護者の現地同行が不要なことが一般的です。ただし、未成年者の渡航同意書、空港での引き渡し方法、緊急連絡先などを求められる場合があります。

高校生の留学は目的と時期を決めることから始めましょう

高校生の留学には、幅広い選択肢があります。そのため、まずは本人が留学で経験したいことを言葉にし、単位認定や復学、大学受験との関係を在籍校へ相談すると、必要な期間と方法が見えやすくなります。

また、留学先にはさまざまな国がありますが、近年は、マンツーマン授業が充実していることや、欧米圏と比べて費用を抑えやすいことから、フィリピン・セブ島を選ぶ高校生も増えています。初めての海外留学でも挑戦しやすい環境が整っているため、短期・長期を問わず留学先の候補として検討してみてはいかがでしょうか。

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