フィリピン留学を経験した後に転職活動をする人は多いですね。
特に社会人の方は元々勤めていた職場を退職して留学に来ている人がほとんどです。
そういう私自身(セブ留学アカデミー代表・早川)も学生時代に留学経験が全く無く、新卒で入社した会社で営業職として5年半働いて退職、その3日後にセブ島で半年間の留学をしました。
27歳で留学した時に何を考えていたのか、についてこちらの記事を読んでいいただければと思います。

しかし毎日沢山の社会人と留学カウンセリングをしながら最近思うのが、「フィリピン留学の後の転職がうまくいっていない人が多い」ということです。
「留学経験を転職に活かそう」「英語を使って仕事をしよう」という人の中になぜ失敗する人が多いのか?
今回はその理由について考えてみました。

フィリピン留学後の転職活動がうまくいかない人が多い

つい先日わたしたちセブ留学アカデミーでも中途採用を実施しました。
当社では留学経験者であることが応募の必須条件であるため、応募者は皆さん留学経験者です。2,3週間で応募者は何十名という人数に達しました。

しかし残念ながらその大半の方が書類選考で不合格。今回はなるべく多くの方に直接会いたいと私が考えていたにも関わらずです。
今回私が不採用にした理由の多くは、一般的に留学経験者が転職でうまくいっていない理由と非常にマッチしています。
そこでその理由を大きく3つにまとめました。

転職で失敗する理由その① そもそも英語力が足りない


留学をすれば当然英語力は高められます。
しかし仕事で英語を使う職場である場合には、相応の英語力が求められます。
会社や業務によっても求められる英語力は異なりますが、少なくともTOEICで700~800点は大前提。
上記のTOEICスコアに加えて会話力も求められます。

「初心者だった私がフィリピン留学でTOEIC650点をとれたから外資系企業で働きたい!」といっても、現実はそれほど甘くはありません。
日本国内でTOEIC700点もあれば英語上級者と呼ばれるかもしれませんが、世界基準で見ればまだ「英語初心者」の域を脱していません。
初心者であれば、朝から夕方まで授業を行うフィリピン留学であっても最低半年は留学しないといけないでしょう。
ワーキングホリデーならまだしも、日本国内で「英語を使って仕事をする」のであればこれくらいは必要です。

転職で失敗する理由その② 英語が出来れば転職に成功する、という勘違い


よく誤解されていることですが、英語教師や通訳でも無い限り「英語を話すこと自体が仕事」という業務はありません。
海外で営業をするなら「英語力」と「営業力」の2つが要りますし、外資系メーカーであれば「商品知識」と「英語力」の両方が要ります。
最も大切なのは英語ではなく「仕事のスキル」です。

私達の採用活動でも同じですが、履歴書や職務経歴書を見ると大して業務経験がなかったり、社会人1,2年目でまだロクに研修期間も終えていないうちに転職活動をする人が非常に多いです。
「英語は多少出来るが、仕事はまだあまり出来ない」という人たちです。
あえて言い換えるなら「英語しか出来ない」人なので人事担当者からは当然高く評価されません。
新卒採用と同じようにその人の人柄やモチベーションくらいでしか評価出来ないため、「中途の即戦力」という待遇はまず受けられないのが実情です。

もう一つ付け加えるならワーキングホリデーの職務経験はオフィスワークの転職ではほとんど評価されません
なぜならワーホリの仕事の大半がサービス職(飲食業や販売業)またはファームジョブ(農作業)なので、その経験がダイレクトにオフィスワークで活かせることは稀です。
20代後半や30代前半であれば、同年代の人たちと比較された時にかえって不利になることもあるでしょう。

転職で失敗する理由その③ キャリア・経歴に一貫性が無い


面接時に留学経験をアピールする場合は海外に関する興味や経験、語学スキルを売り込むことになるでしょう。
履歴書や職務経歴書に書いてあることだけでその人物を正当に評価することは難しいですが、それでも内容次第では自分自身を強く売り込むための好材料となります。

その点で言えば、履歴書と職務経歴書に書かれていることと、面接で話していることに一貫性がない人は注意が必要です。
私が面接した人の中には、「以前は●●の仕事をしていましたが、自分のやりたいことを実現するために1年前フィリピン留学に行きました!」と話しているのに、フィリピン留学から帰国後も以前と同じ職場に戻っている人がいます。

「小さい頃からこの仕事に就くのが憧れでした!」と話しているのに「じゃあ何で新卒の時にチャレンジせず29歳になってから転職しようとしてるの?」と疑問になった方もいました…。

私はリクルートの求人広告の営業を長年経験していますが、基本的に日本の新卒採用は「ポテンシャルと人間性」、中途採用は「経歴と仕事力と人間性」が重視されます。
あえて厳しい言い方をするならば、学生ならまだしもアラサーに近い年齢になって「興味があります!」「やる気はあります!」では勝負になりません。

「学生時代から●●の仕事に興味がありました。最初の仕事では○○について取り組みましたが、そのスキルをもっと幅広く活かせるように半年間フィリピン留学へ行き、日常英会話を習得しました。TOEICは870点あります。今後は●●の事業で海外展開している貴社でこれまでのスキルと英語を活かしたいと考えています!」

これくらいのアピールが出来るようになるといいですね!

~まとめ~ 留学しただけで評価される時代はとっくに終わった

かつて海外留学に行った人たちは帰国後に様々な企業で手厚く迎え入れられました。
しかし今ではLCCなどの航空券を皮切りに安く海外に行けるようになり、さらにフィリピン留学が普及したため、誰でも簡単に留学が海外出来るようになりました。
つまりもう「留学をしただけで評価される時代ではない」のです。
今回紹介した「英語力」「職務スキル」「キャリアの一貫性」でアピールできるように、身のあるフィリピン留学をしていただければと思います。