2020年5月15日にセブ留学アカデミーを運営する株式会社アナザーストーリー(以下「当社」)は設立5周年を迎えることが出来ました。
創業当初は5周年を迎えることなど全く想像もできず、そして実際に迎えるときにまさかコロナウィルスという未曾有の事態に巻き込まれるとは思いもしませんでした(笑)

2015年5月に名古屋で始まった小さな会社は、現在も小さいままではありますが東京と大阪にも展開。

全国、果ては海外からのお客様も含めてこれまでにのべ1,000名以上が当社からフィリピン留学へ飛び立ちました。

6年前に私が会社員を辞めてフィリピンへ飛び立ったときには周りから「フィリピン留学なんて本気で考えてるの?」と驚かれましたが、

実際に留学をした人たちの良い口コミや業界関係者の尽力もあり今では欧米留学にも引けを取らないメジャーな留学スタイルに進化しました。

当社の5年間の歩みについては私とスタッフ達の胸の内にしまっておくとして、今回はこの5年間でフィリピン留学業界がどのように変わっていったのかを書いていきたいと思います。

当社創業以前のフィリピン留学 ~黎明期から成長期へ~

当社が創業する以前の日本国内におけるフィリピン留学は黎明期を抜けて成長期に入りかかろうとしていた時代でした。
フィリピン留学自体は1990年代からお隣の韓国で生まれていたものの、日本での知名度はほぼゼロ。
ごく一部の日本人がフィリピン留学を知るようになったのもそれから約10年後の2000年代後半でした。
今となっては当社もフィリピン留学エージェントの中では古い方の会社になりつつありますが、業界にはもっともっと先にスタートした先輩達がいます。

2010年にセブ島で初めての日本人経営の語学学校が設立しましたが、それまでの日本の留学エージェントは韓国人経営の語学学校のみを紹介していました。
当時の留学先は「韓国人経営の語学学校のみ」だったのです。

今では多くの日本人経営の学校がありますが、これらの学校のオーナーの多くは自身で韓国人経営の学校に留学をした後に事業をスタートしています。
当社の提携している日本人経営の語学学校を見ても、3D ACADEMYが韓国系学校から事業譲渡をされたのが2012年、First EnglishMeRISE(当時はMBA)Brilliant CebuTARGETの設立が2013年。
私がセブ島留学を検討しはじめた2014年頃はようやくこれらの日本人経営校も選択肢に含まれるようになってきましたが、それでもまだまだ少数派でした。


当時の私もフィリピン留学の存在はほとんど知らず、個人的に注目していた高城剛さんが2013年に発刊した「21世紀の英会話(マガジンハウス)」という本を読んで影響を受けたのです。
本の帯に書かれた「英語力を磨くならセブ島を目指せ!」というコピーを見て、「周りの誰も知らない何かを自分だけが知ってしまった」ような気がしてワクワクしたことを覚えています。

当社が創業した2015年頃のフィリピン留学 ~日本人経営校の台頭~

2015年頃は関東、関西を中心にフィリピン留学の認知度も高まって来ました。
それまでは「一部の人だけが知っているフィリピン留学」だったのが、「聞いたことがある」「友人がフィリピン留学をしていた」といった声も上がるようになりました。
前述の日本人経営の語学学校が「日本人経営」「安心」「安全」をキャッチコピーにして積極的に売り出してきたためメディアなどで取り上げられることも増えました。
日本人経営の学校には個人の留学だけでなく、団体(大学や企業の語学研修)の留学受け入れも本格的になり、国際コースを持つ高校などでも1ヶ月以上の留学プログラムが組まれるようになりました。

日本人経営の語学学校の勢いはすさまじく、フィリピン全土で語学学校の競争が激化。
学校規模が小さい分それぞれ特徴を明確に打ち出し、例えばBrilliant Cebuは高級コンドミニアム滞在型のラグジュアリ志向、MeRISE(当時はMBA)は「オトナ留学」と謳った社会人専門校、HOWDYはショッピングモール隣接の清潔な施設で食事は日本人が担当とするなどし、日本人留学生にとって選択肢が広がった時期でもありました。
競争力で劣る一部の韓国系学校が淘汰されただけでなく、それらの学校をさらに日本企業が買収するという動きも出てきました。
韓国系学校の新規開校はほとんどなく、新しい土地に移転するケースがちらほらあり、
「A校が移転。A校のあった場所にB校が新規移転し、B校があった場所にはC校が移転」といった玉突き現象も各所で起こりました。

またこの頃は留学生の客層にも変化が起こり、それまでの韓国系学校は「ほとんどが韓国人で残りは日本人」といった生徒構成でしたが、そこに台湾人とベトナム人も入り込むようになりました。

2016~2017年 ~大手日系企業の参入と韓国系学校の逆襲~

この頃も日本におけるフィリピン留学の人気は伸び続けており、観光地としてのセブ島の認知度向上や航空会社の直行便毎日就航なども業界にとって大きな追い風となりました。
日系企業が韓国系の語学学校を買収する動きや、韓国系に比べて比較的小規模な日本人経営校のオープンも相次ぎました。
日本のフィリピン留学業界においては語学学校や留学エージェントのほとんどが中小零細企業によって経営されていましたが、大手英会話スクールのECCのフィリピン進出や、オンライン英会話で実績のあったDMM.comの留学エージェント事業参入などの動きもみられました。
セブ島においてはいよいよ韓国系学校と日本人経営校の割合がいよいよ50:50になるまでに変わっていきました。

韓国系学校は日本人経営校の勢いにやられっぱなしというわけにはいかず、それまでは施設や食事のクオリティで日系校に負けていましたが(日本人生徒にとっては当然ですが)、セブ島のCPIEV ACADEMYのような豪華な施設設備を誇る学校も登場。
またその頃まで着実に実績を積み上げていたCGCELLAなどはCGバニラッドキャンパスCELLA Uniキャンパスといった2つ目のキャンパスをオープンさせることも出来ました。
私なりの表現になりますが、まさにこの頃は「韓国系学校の逆襲の時代」だったといえます。

2018~2019年 ~フィリピン全土で競争が激化。地方都市の学校も逆襲へ~

黎明期から成長期を経て、いよいよ拡大期ともいえる時代に突入しました。
かつては語学学校も留学エージェントもWebサイトとブログなどで集客をしてきましたが、この頃になるとSNSやYouTubeでの集客が増え、それらのツールを巧みに扱えるYouTuberやインスタグラマーのような「留学エージェントっぽい人たち」も増え、まさに業界内に乱立してきました。
日本人のフィリピン留学もセブ島一極集中になりがちでしたが、この頃からバギオやクラーク、イロイロ、バコロドなどの地方都市でも新キャンパス設立やリニューアルが見られるようになり、フィリピン全土で語学学校の競争が激化しました。

留学生の国籍も多様化し、韓国、日本、台湾だけでなくベトナム、ロシア、サウジアラビア、中国、タイ、モンゴルなど非常に幅広くなり、人気校では半年以上前から予約がいっぱいになることも出てきました。

留学生にとっては幅広い選択肢から学校を選ぶことが出来るため、非常に良い時代だったといえます。

2020年 ~コロナウィルスによる業界再編とアフターコロナの時代へ~

2020年初頭こそ春休みのフィリピン留学が例年通りピークを迎えていましたが、3月になって状況が一変しました。
語学学校の休校やフィリピン全土でのロックダウンに加え、ビザ発給の停止や航空会社の運航停止もあって留学そのものが不可能になってしまいました。
5月時点で既に複数校が閉校となってしまいましたが、同じことがフィリピンだけでなくオーストラリアやカナダなど英語圏の国でも起こっていました。
また今回の騒動で各語学学校の対応(主に留学費用の返金に関わること)も分かれたため、それまでのように「大規模な学校」「施設がキレイな学校」「歴史のある学校」「日本人が経営している学校」といった項目とは別の部分で評価されるようになりました。

語学学校によってはオンライン授業を提供する所も増え、今後それらのサービスが事業の1つの柱となる可能性は十分あります。
しかしそれまでの留学事業の収益をカバーするまでには至らないため、やはり留学が再開されるまでは学校、エージェントともに我慢が求められそうです。

まとめ

振り返ってみると当社だけでなくフィリピン留学業界全体で大きな変化が起こった5年間でした。
特に現在も続くコロナウィルス騒動は人々のライフスタイルや留学のあり方を大きく変えることになりそうですが、それでも「新しい世界を見てみたい」と願う人たちは居続けるはずです。
むしろ今回のことをきっかけにして、「出来ることは今のうちにチャレンジしよう」と考える方も大勢います。
「どんな時代でも生きていけるように今のうちから自己投資をしておきたい」というお客様もみえます。
当社アナザーストーリーは多くの支えがあったおかげで今後も事業を継続出来る立場にありますので、これからも皆さんの挑戦をサポートし続けたいと思います。
私たちと一緒に新しい世界に踏み出しましょう!